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中学生の息子と小学生の娘がいます。異性同士で性格も正反対。共通の趣味なんてないと思っていました。
でも、ふたりが選んだスポーツは同じ——「剣道」でした。
身内にも、仲の良い友達にも、剣道をやっている子はいません。主人もわたしも、学生時代はサッカーやバスケ。剣道はまったく未知の世界でした。
右も左も分からないまま親子で飛び込んだ剣道の世界。今回は、これから子どもに剣道を始めさせたいと考えている方に向けて、費用のこと、親の負担、「礼」の精神のことなど、我が家のリアルな体験をお伝えします。
息子が剣道を選んだ意外な理由
中学生になり、部活動に入ることになった息子。第一希望は帰宅部。理由はシンプルで、「ゲームがしたい!」
3歳からスイミングスクールに通い、小学4年生から金管バンドに所属していましたが、水泳部はなし。譜面はなかなか読めず、ずっと打楽器専門。
仲の良い友達が入るというテニスか卓球かな、と思っていたのに。
息子が選んだのは、剣道でした。
「え? 剣道??」
思わず何度も聞き返してしまいました。
理由を聞くと、「単純にかっこいいと思った」のと、仲良しの友達がいるから、と。……修学旅行で木刀を買ってくるタイプなので、そもそも刀が好きなのかもしれません。
まさか木刀好きが部活選びにつながるとは、親としては想像もしていませんでした。
剣道を始めるのにかかった費用【我が家の実例】
予想を遥かに超えたのが、初期費用でした。
POINT
防具一式を揃えるのにかなりの出費。「中学3年間は続けるように!」と固い約束を交わしての購入でした。
我が家の初期費用(実際にかかった金額)
| 項目 | 我が家の場合 | 備考 |
|---|---|---|
| 防具一式(道着・袴含む) | 約6万円(ネットで最低限のセット) | オーダーしたお友達は10万円超え |
| 竹刀(数本)+手拭い+洗い替えの道着・袴 | 約2万円 | 竹刀は消耗品のため数本用意 |
| 合計(初期費用) | 約8万円 | 抑えめにしてこの金額 |
オーダーメイドで揃えると10万円を超えることもあるそうなので、我が家はネットで最低限のセットを選びました。それでも約8万円。子どもの習い事としては、なかなかの出費です。
ただしネットは安いぶん、サイズ選びが難しい。有識者にアドバイスをもらったり、しっかり測ってから購入するのがおすすめです。
一式揃えてしまえば、消耗品は竹刀くらい。体型が大きく変わらない限り、大人になっても使えるので、長い目で見るとコスパは良いようです。顧問の先生(30代)の防具は、中学生の頃から使っているものだそう。
小学生の妹のほうは、竹刀や小手以外の備品をレンタルできたので助かっています。道場や団体によってはレンタル制度があるので、事前に確認しておくと安心。知人から借りるという手もあります。
ランニングコスト
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 年会費(スポーツ少年団) | 約10,000円/年 | 地域差あり。我が家は格安 |
| 竹刀の買い替え | 随時 | 割れたら交換。予備も必要 |
| テーピングなど | 数百円〜 | 少しずつ揃えればOK |
町のスポーツ少年団なので年会費は約10,000円と格安。月額に換算すると1,000円以下です。本当に助かっています。ただ、きっと地域によって差があると思います。
ちなみに、兄妹ふたりで通うと、防具一式と竹刀で車内がぎゅうぎゅう。コンパクトカーで子どもの体格がいいと、かなりきついかもしれません。
親が覚えることも意外と多い
防具を揃えたものの、覚えることがたくさんありました。
- 袴の着方
- 防具の付け方
- お手入れや洗濯の方法
最初は他の保護者の見よう見まねで何とかしていましたが、正直なところ、親のほうが戸惑うことも多かったです。
試合のルールも素人にはとても分かりにくい。見ていても勝敗の判断がつかず、3人の審判の旗で確認するばかり。物理的な反則だけでなく、精神面の反則もあるようで、息子本人もまだ完全には理解できていない気がします。
意外と大変?保護者の役割
そしてもうひとつ、始める前には気づかなかったこと。それは、保護者の仕事が意外と多いということ。
わたしは今年、備品の管理(飲み物やお盆、ポットなど)を担当しています。会長や副会長はさらに大変そうで、大会の運営や連絡調整など、仕事量はかなりのもの。
「子どもの習い事」と思っていたら、いつの間にか「親の仕事」も増えていた——これは正直、始める前にもっと覚悟しておけばよかったなと思います。
POINT
剣道を始めるなら、費用だけでなく「保護者の役割」も事前に確認しておくのがおすすめ。送迎だけでなく、備品管理や当番など、想像以上にやることがある。
「礼に始まり、礼に終わる」— 剣道が教えてくれること
剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である
——全日本剣道連盟「剣道の理念」より
道場に足を踏み入れるときには一礼。退出するときにも一礼。お稽古が終われば、神棚に向かって一礼。
それは稽古を見守る保護者も同じです。冷たい床に正座し、姿勢を正して神棚に一礼。背筋が伸び、神聖な気持ちになる瞬間でもあります。
| タイミング | 順序 |
|---|---|
| 稽古前 | 着座 → 黙想 → 神前に礼 → 先生に礼 → 相互に礼 |
| 稽古後 | 着座 → 黙想 → 先生に礼 → 神前に礼 → 相互に礼 |
※道場によってルールは異なる場合があります
そこには、道場へ、恩師へ、そして仲間への感謝が込められているそうです。
POINT
剣道で礼儀を大切にする理由は3つ:「相手への感謝と尊敬」「闘争心の制御と人間形成」「自己の成長と謙虚さの育成」。勝ち負けだけでなく、人として成長するための修行でもある。
「打って反省、打たれて感謝」という言葉があるのも、剣道ならではですね。
穏やかな子どもたちが、なぜ「叩く」スポーツを?
素振りや足さばきの練習(送り足・開き足・継ぎ足・歩み足の4種類)は一人でもできますが、剣道は対人競技。相手の頭や腕を打たせてもらわなければ、技術は向上しません。
……叩かれるのも、叩くのも、怖くないのかな? というのが、正直な気持ちでした。
我が家の子どもたちは基本的に穏やかで、兄妹喧嘩も軽い口喧嘩程度。手が出ることはありません。
そんな子どもたちが剣道を選んだのは、やっぱり少し意外でした。
でも、闘争本能を制御し、礼儀を重んじること。それも剣道の大切な学びなのだと感じています。
妹も剣道を始めた日
兄が剣道を始めてしばらく経った頃、今度は小学生の娘が「わたしも剣道やりたい」と言い出しました。
性格が正反対のふたり。お兄ちゃんのマネをしたいわけでもなさそう。
娘はもともと、茶道や華道、弓道など日本的なものに興味を持っていました。でも田舎ゆえに教室がなく、通わせることができずにいたのです。剣道もかっこいいとは思っていたようですが、決定打になったのは、兄の大会を見に行ったこと。
剣道女子の凛々しさに、憧れを持ったようです。
防具が3セットになったら車も買い替え!……なんて冗談を言いつつ、正直嬉しかったです。
さまざまな世代と関われる場所
剣道を通して感じる良さのひとつが、いろいろな世代の人と関われること。
指導してくれるのは年配の方が多く、生徒には低学年の小さな子もいます。子どもの数が少なくて「指導者の方が多いのでは?」というときもあるのですが、逆に言えば、よく見てもらえるということ。それはとてもありがたいと思っています。
学校でも家庭でもない場所で、幅広い年齢の人たちと一緒に汗を流す。そういう経験は、子どもたちにとって大きな財産になるはずです。
剣道に興味があるお母さんが、子どもと一緒に始めるケースもあるそう。年齢関係なく一緒にできる。それも剣道の魅力のひとつかもしれません。
子どもたちの成長——まだ途中だけど
息子は部活にほぼ皆勤賞で参加。小さな頃から習っているお友達とはまだ大きく差がありますが、音を上げずに頑張っています。
中学から始めた未経験者が、何年も続けてきた経験者に追いつくのは簡単ではありません。でも、逃げずに向き合い続けている姿を見ると、それだけでもう十分だと思えます。
以前は息子は水泳(娘はカナヅチ)、娘はバレエで、習い事が完全に分かれていました。でも剣道は男女で一緒にできるスポーツ。兄妹が同じことに打ち込む姿を見守れるのは、親として嬉しいものです。
これから剣道を始める方へ——先輩ママからのアドバイス
これから剣道を検討している保護者の方へ
- 数回見学して、体験してから決める。初期投資が大きいので、熟考した上で決めたほうがいい。我が家は中学3年間続けることを条件にしました。
- レンタルできるか事前に確認。小学生の妹は備品をレンタルできたので助かっています。知人に借りるという手も。
- ネット購入は安いけど、サイズに注意。有識者にアドバイスをもらうか、しっかり測ってからの購入がおすすめ。
- 送迎と車のスペースも考えて。兄妹ふたり分の防具と竹刀を積むと、コンパクトカーではかなりきつい。
- 保護者の役割を事前にリサーチ。備品管理や当番など、親の仕事も意外と多い。
正直に言うと——やってよかった?
最近、長男が家の中で竹刀を振って、天井の照明を破損させました。
……正直に言うと、今はちょっと後悔しています(笑)。
でも、スポーツ自体には大賛成。そして剣道は男女で一緒にできるスポーツだから、兄妹ふたりが同じことに打ち込めるのは良かったなと思います。
わたし自身はやっていませんが、剣道に興味があるお母さんや、昔ちょっとやっていたからと子どもと一緒に剣道を始めるお母さんもいます。年齢関係なく一緒にできるって、素敵ですよね。
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まとめ——剣道を通して、親として思うこと
子どもたちが剣道を始めて感じたこと
- 初期費用は約8万円〜。抑えめにしてもそれなりにかかる
- 「礼」の意味を、親子で一緒に学べた
- 勝ち負けよりも大切なことがあると知った
- 性格が正反対でも、男女で同じスポーツに打ち込める
- さまざまな世代の人と関わる経験ができている
- 保護者の仕事は想像以上に多い(でも、仲間もできる)
- 親自身も背筋が伸びる瞬間がある
- 天井の照明は壊されるかもしれない(笑)
何でもチャレンジして、どんな大人にだってなれる。今は、すべてが糧になっていく。
「礼」という形だけでなく、その真意を理解し、実践していくこと。それができれば、剣道を通して人としても成長できるはず。
少しずつでいいので、「礼」の意味を考えながら剣道に励み、人間としても成長していってくれたら——親として、これ以上嬉しいことはありません。
指導してくださる先生方、神聖な道場に感謝を。そして、一緒に励まし合い、高め合える仲間に感謝を。
応援してるよ。
……元旦稽古は、ちょっと寒くて憂鬱だけど(笑)
(湯たんぽと厚手の靴下必須です)



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