
おせち料理は作りますか?
我が家はお雑煮くらいしか作りませんが、皆さんのご家庭はいかがでしょうか。
おせち料理は、節会や節句に作られる料理が由来です。
節日の中でも最も重要なのが正月であることから、次第に正月料理を指すようになりました。
季節の節目に神様へ供える「御節供(おせちく)」が語源で、豊作や健康、子孫繁栄など、新年の幸せを願う意味が込められています。
重箱に料理を詰めるのは「めでたさを重ねる」という意味があり、日持ちのする料理を用意することで、正月に火を使わずに過ごすための生活の知恵でもありました。
黒豆は健康、数の子は子孫繁栄、海老は長寿。
一つひとつの食材に願いが込められています。
おせち料理は単なる食事ではなく、家族の健康や幸せを祈る、日本の伝統文化が凝縮された「祈りの料理」です。
現在では、色とりどりの豪華な料理が重箱に詰められているイメージが強いですが、もともとはその土地で採れたものを感謝の気持ちとともに供えるものでした。
定番といえば、
数の子、紅白かまぼこ、栗きんとん、田作り、伊達巻、黒豆、昆布巻き、鯛、海老、紅白なます、れんこん、里芋などでしょうか。
実家の母は専業主婦だったこともあり、おせち料理のためにかなりの時間をかけていました。
(義母が厳しい人だった、という背景もあったのかもしれません)
立派なお重に隙間なく並ぶ色とりどりのおせち料理。子どもながらに「すごいなぁ」と感心していたのを覚えています。
ただ、子どもというのは残酷なもので、手間や母の気持ちを深く考えることもなく、甘い伊達巻や栗きんとん、かまぼこばかりを好んで食べていました。
「縁起物だから」と父に言われ、渋々口にした料理も多く、今では少し苦い思い出です。
家庭を持ち、主婦になった今、母の大変さや、せっかく作った料理をあまり食べてもらえない寂しさが痛いほど分かります。
もし過去に戻れるなら、「美味しいよ」と、もっとたくさん食べてあげたかったなと後悔する気持ちもあります。
家庭や地域によって、お正月の準備はさまざま。
杵と臼で餅つきをする義実家は、意外とおせち料理にはそれほどこだわりがありません。
かまぼこや栗きんとんは市販品、黒豆だけは煮ているようですが、とても簡素な印象です。
お嫁に来て最初のお正月、正直ほっとしたことを今でも覚えています。
実家では元旦は必ずお雑煮でしたが、義実家ではお赤飯。
私はお餅もお赤飯も大好きなので、どちらでも嬉しいのですが、自分の家なら「いつものごはん」で十分だな、と思っています。
子どもたちがおせち料理をあまり好まないことに加え、物価高もあり、なかなか手が出ないのが現実です。
日本の文化が少しずつ変わっていくことに寂しさを感じることもありますが、暮らしに合わせて取捨選択していく時代になった、ということなのでしょう。
おせち料理ほど、作る人の労力と食べる人の喜びが必ずしも一致しない料理はなかなかない気がします。
年末になると、
「日本人として用意しなければならない」というプレッシャーを感じてしまう人もいるようです。
でも、作りたい人は作ればいい。
作らない選択があってもいい。
市販品を取り入れてもいい。
百貨店で買ってもいい。
年末年始を旅行やホテルで過ごすのも、立派な選択です。
選択肢は無限大。
自分で選んでいいのだと思います。
紅白歌合戦、年越し蕎麦、年賀状、初詣。
少しずつ形を変えていく文化もあるかもしれませんが、何より大切なのは、家族が穏やかに、笑顔で過ごせること。
伝統の精神を大切にしつつ、それぞれの家庭に合った形で、無理なく楽しめるお正月を迎えられたらいいですね。



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