
家族ができてからは、自分のものは必要最低限。
迷ったけれど、手に入れてよかった「一生大切にしたいもの」があります。
お気に入りの鉄瓶です。
鉄瓶は、お湯を沸かすための日本の伝統的な鉄製容器。
鉄分補給ができ、水道水のカルキも和らぎ、使い込むほどに味わいが増していく、一生ものの道具です。
「いつかは手に入れたい」
そう憧れつつも、お手入れが難しそうだし、ポットがあるのに贅沢かな……と。
購入を決めたきっかけは、わたしの貧血でした。
健康診断では毎年引っかかり、鉄剤を処方されています。
食事で補う方法もあるけれど、毎朝飲んでいる白湯を鉄瓶で沸かせたら素敵だな。
それで少しでも貧血予防になったら最高だな。
そんな気持ちが背中を押してくれました。
毎朝、起き抜けに白湯を飲むのが日課です。
水道水がまろやかになり、身体を労っている、と感じられる時間。
お湯の角が取れて、なんとなく甘いような気さえします。
使用後は中を空にして乾かさないと、サビがついてしまいます。
わたしはいつも、1分だけ空焚き。
正直、そのお手入れは少し面倒かもしれません。
洗剤で洗わず、
湯垢を育てていく。
水道水のミネラルを付着させながら、
鉄瓶を育てていく感覚も、今では楽しみのひとつです。
一人分にちょうどいい、コロンと丸い形が愛らしく、お気に入りのアイテムです。
なんだか、手のかかる子どものお世話に少し似ているな、と思ったり。
早起きして、
静まり返ったキッチンでゆっくりお湯を沸かし、白湯を飲む。
母の、ささやかな贅沢時間です。
この時間から、また一日が始まる。



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