おしゃれな靴に憧れていた若い頃
育児と仕事でヒールを手放した40代ママが、もう一度「靴が好き」になった日。自信を失いかけた日々の中で、前を向くきっかけになった小さな決意を綴ります。
今は素敵な靴が、当たり前のように手に入る時代になりました。
わたしが若い頃は、まだネットも今ほど普及していなくて、
地方に住んでいると、お洒落な靴を手に入れるのは本当に大変でした。
おまけに足のサイズが大きくて、店頭に合うサイズがなかったりして。
大人になって、選択肢が増えて、たくさんの靴を買いました。
特に好きだったのは、ヒールの高い靴。
いつも、踵が7cm以上のものを選んでいました。
背筋がすっと伸びて、足音まで少し凛として。
なんだか“ちゃんとした自分”になれた気がして、自然と自信をくれる、そんな靴たちでした。
子どもが産まれて、抱っこ、抱っこの毎日になると、高いヒールは少しずつクローゼットの奥へ。
転ばないこと、走れることが一番大事で、
今はローヒールやスニーカーばかり。
久しぶりに、靴を買おうかな。
ただの靴じゃなくて、わたしに少しだけ勇気をくれる靴。
仕事から離れた自分。
うまくお母さんができていないと思ってしまう自分。
妻としても、足りない気がしてしまう自分。
自己嫌悪でうつむくことが増えて、
気づけば背中が丸くなっていた日々に、そろそろさよならしよう。
顎を上げて、背筋を伸ばして、前を向いて。
また一歩、ちゃんと地面を踏みしめて歩いていけるように。



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