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「娘さんが授業中に顔色が真っ白になって…」
先生からの電話を受けたとき、最初は何事かと思いました。でも聞いてみると、理科の授業で血液循環の映像を見ていて気分が悪くなった、ということでした。
ホラー映画も、殺人シーンも、我が家では見ません。わたしも息子も娘もグロテスクな映像が苦手で、家で観るのは基本的にアニメだけ。そういう映像に慣れていないせいかな、とは思いました。でも、まさか学校の理科の授業でそんなことが起きるとは思ってもいませんでした。
1回だけじゃなかった。3回繰り返されたこと
最初は「たまたまかな」と思っていました。でもその後、5年生から6年生にかけて、血液・臓器・出産の映像が出るたびに同じことが繰り返されました。
1回目は先生もクラスメイトもびっくりして、すぐに保健室へ。2回目も同じように別室へ。3回目のとき、先生から電話をもらって話を聞くと「今日も真っ白になってしまって、正直びっくりしました」とおっしゃっていました。でも先生はとても冷静に対応してくださっていて、授業前に気にかけてくれるようにもなったそうです。
クラスメイトも最初はざわついていたようですが、3回目ともなると「またか」という感じで自然に受け入れてくれているとのこと。子どもたちの順応の早さに、少し救われた気持ちになりました。
「英語の授業に出られなかった」娘の困り事
娘自身も、この状況に困っています。気分が悪くなること自体もつらいのですが、それ以上に「授業に出られなくなること」が嫌なようです。
ある日帰ってきた娘が、ぽつりと言いました。「今日、英語の授業に出られなかった」と。英語は娘が大好きな授業で、保健室で休んでいる間にその授業が始まってしまったようです。残念そうな顔が忘れられません。
「理科のせいで、英語まで損した」という気持ちになってしまうのは当然です。自分でコントロールできないのに、大好きなことまで影響が出てしまう。それが娘にとって一番つらいのかもしれません。
学校では娘だけ。これって珍しいの?
わたし自身、学生時代にそんな子を見たことがありませんでした。「うちの娘だけ?」「体が弱いの?」「心が弱いの?」と、正直いろいろ考えてしまいました。
でも調べてみたら、ちゃんと名前がある症状だとわかって、少し安心しました。
🔍 「血液・注射・傷害恐怖症(BII恐怖症)」という名前がある
💡 BII恐怖症(Blood-Injection-Injury Phobia)とは
血液・内臓・傷に関する映像や音声を見聞きすると、気分が悪くなったり失神したりする恐怖症です。調べたところ、一般人口の約3〜4%にみられるといわれています。クラス30人に1〜2人の計算です。
さらに、10歳前後の子どもでは8%前後まで高くなるという研究データもありました。5〜6年生の娘がこの症状を経験しているのも、決して不自然ではないとわかりました。
「学校では娘だけ」でも、世の中にはけっこういます。知らないだけで、同じ悩みを抱えている子や親御さんがいるはずです。
映像や音声だけでも反応が出る
BII恐怖症の特徴のひとつが、実際に血を見なくても反応が出ること。映像・音声、さらには話を聞くだけでも気分が悪くなる子がいます。
娘の場合、理科で扱う「血液循環」「消化器官」「出産」などの映像と音声がトリガーになっています。授業の映像が始まった途端、顔色が変わってしまうそうです。特別に体が弱いわけでも、気持ちの問題でもなく、そういう反応が出やすいタイプなんだと思うようにしました。
😨 なぜ顔色が真っ白になるの?
普通の恐怖症は心拍数が上がって「逃げなきゃ」という反応が出ます。でもBII恐怖症だけは、少し違う2段階の反応が起きます。
| ステップ | 体の反応 |
|---|---|
| ① まず | 心拍数・血圧が上がる(普通の恐怖反応) |
| ② そのあと | 突然ガクッと下がる(迷走神経反射) |
この急激な血圧低下が、顔色が真っ白になったり気分が悪くなったりする原因です。医療ドラマで「手術シーンを見た人がパタリと倒れる」シーン、見たことはありませんか?あれも同じ反応です。作り話じゃなくて、医学的にちゃんとある現象なんです。
🌟 大人になれば治る?将来の夢は諦めるしかない?
自然に治る子もいれば、治らない子もいます。ただ、治療法はあります。
✅ BII恐怖症は治療効果が出やすい恐怖症
「Applied Tension(筋肉緊張法)」という方法が有名で、全身にグッと力を入れることで血圧の急落を防ぐ練習をします。認知行動療法(CBT)と組み合わせると改善する人も多く、恐怖症の中でも治療効果が出やすいことで知られています。
娘は今のところ医療系には興味がないのですが、もし将来「なりたい」と思ったとしても、諦めなくていい可能性は十分あります。
同じ悩みを持つ親御さんへ。今できること
わたし自身がやってよかったと思うことをまとめておきます。
- 学校に事情を伝える:先生が事前に声をかけてくれるだけで、娘の安心感が全然違います。「気持ちの問題ではなく、体の反応」と説明すると伝わりやすいです
- 子どもに「変じゃない」と伝える:名前のある症状だと知るだけで、本人がどれだけほっとするか。「おかしくないよ」のひとことが大事です
- 日常生活に支障があるなら専門家へ:授業に出られない・行事を楽しめないなど困り事が続くなら、小児科や児童精神科に相談するのもひとつの選択肢です
📝 おわりに
ちゃんと名前がある症状だと知って、少し安心しました。変なんじゃない。珍しいけど、おかしくない。
先生が気にかけてくれていること、クラスメイトが自然に受け入れてくれていること。今のところはそれで十分かな、と思っています。
同じように「うちの子だけ?」と思っているお母さん・お父さんがいたら、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
英語の授業に出られなかったのは、本当に残念だったね。でもそのうち、笑って話せる日がくるといいな。


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