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2026年(第72回)の中学校・課題図書は、「君の火がゆらめいている」「チーム・テスならだいじょうぶ」「リュウグウの砂に挑む」の3冊です。物語が2冊、科学ノンフィクションが1冊。
どれを選べば読書感想文が書きやすいのか、迷いますよね。先に結論をいうと、物語が好きな子は「君の火」、好きなこと(料理・動物)を入り口にしたい子は「チーム・テス」、理科や宇宙が好きな子は「リュウグウ」が書きやすいです。
この記事では、3冊のあらすじと、それぞれの感想文の書きやすさを、中学生と小学生の子をもつ母の目線で紹介します。本選びの参考になればうれしいです。
2026年(第72回)中学校の課題図書はこの3冊 📚
今年(2026年)の中学校・課題図書は、テーマも読み口もそれぞれ違う3冊です。まずは一覧で見てみましょう。
| 本のタイトル | 著者/出版社 | ジャンル | こんな子に |
|---|---|---|---|
| 君の火がゆらめいている | 落合由佳/講談社 | 物語(きょうだい児) | 家族や友だちのことで悩んだことがある子 |
| チーム・テスならだいじょうぶ | カービー・ラーソン&クイン・ワイアット 作/杉田七重 訳/鈴木出版 | 物語(海外・病気と成長) | 頑張り屋・お菓子作りや動物が好きな子 |
| リュウグウの砂に挑む | 伊藤元雄/くもん出版 | 科学ノンフィクション | 宇宙・科学が好きな子、物語より事実派 |
今年のラインナップは、人の心を描いた物語が2冊と、宇宙のサイエンス本が1冊です。
おもしろいことに、物語2冊はどちらも「しんどさを抱えた子が、まわりに支えられながら一歩踏み出す」お話。読書感想文では「自分だったらどうするか」を書きやすいテーマがそろっています。
わたしがこの3冊を気になって調べた理由
きっかけは、中学生の息子の読書感想文でした。息子は本を自分から読むタイプではないので、「書いてくれるかな…」と半信半疑のまま、どんな課題図書があるのか調べてみたんです。
そこで見つけたのが「君の火がゆらめいている」でした。あらすじを読んで、ふと手が止まりました。
主人公は、発達障害のある双子のお姉さんを支える妹さん。立場がそっくり同じ、とは言えません。でもわが家も、いままさに息子の発達のことで悩んでいる真っ最中。それに下の娘はちょうど主人公と同じ小学6年生です。
「もしかしたら、少し重なるところがあるかもしれない」「親として、学べることがあるかもしれない」。そう思って、ページを開いてみることにしました。
①君の火がゆらめいている|「きょうだい児」を描いた物語
『君の火がゆらめいている』のあらすじ(ネタバレなし)
主人公の葉澄(はすみ)は、小学6年生から中学卒業までを過ごす女の子。発達障害のある双子の姉・菜々実(ななみ)の通院や送り迎えを、毎日のように手伝っています。
自分の希望よりも、お姉さんの都合が優先されることの多い毎日。ご両親も葉澄のことをとても気にかけていますが、それでも葉澄の心には「自分のことも見てほしい」という思いや、いつも我慢してしまう切なさが、そっと積もっていきます。
ある日、葉澄は同じ立場の子が集まる「きょうだい会」に参加し、同級生の恵太と出会います。明るい恵太にも、障害のある弟がいて……。この出会いをきっかけに、葉澄は自分の人生について考えはじめます。
テーマ:「きょうだい児」「ヤングケアラー」
この本は、いわゆる「きょうだい児(障害のある兄弟姉妹をもつ子ども)」の気持ちを、丁寧に描いた物語です。家族のために動く優しさと、「自分だって我慢している」という正直な気持ち。そのあいだで揺れる心が、とてもリアルに描かれています。
💡 「ヤングケアラー」って?
本来は大人が担うような家族の世話や介護を、日常的に引き受けている子どものことです。近ごろ話題のこのテーマと重なり、中学生が「家族とは」「自分の気持ちを大事にすること」を考えるきっかけになります。

『君の火がゆらめいている』の読書感想文の書きやすさ(◎)
- 主人公に近い年齢(小6〜中学生)なので、気持ちに入り込みやすい
- 「自分だったらどう感じる?」を書きやすい
- 家族・きょうだいのことは、どの子にも身近で考えやすい
📖 実際に読んでみた感想(親の目線で)
息子の読書感想文のために手に取った本でしたが、結局わたしが一気に読んでしまいました。読み終えたあと、心にずしんと重いものが残りました。
「きょうだい児」がいる毎日は、想像できないほど大変なものだと思います。作中には、葉澄と同じ立場の同級生・恵太が、「親はいつか自分より先に死ぬ。だからうらやましい」という意味のことを口にする場面があります。この言葉に、親としてのわたしは胸を突かれました。
大好きだけど、大嫌い。わたしのことも見てほしい。きょうだいへの愛情と、自分が後回しにされる切なさ。その狭間で揺れる葉澄の気持ちが、とても丁寧に描かれていました。
「障害があるんだから仕方ない」「守ってあげたい」。親としては、ついそう考えてしまいます。でも、その陰で、きょうだいの「自分も見てほしい」という気持ちを、置き去りにしていないだろうか。読みながら、何度もどきりとさせられました。
きょうだいで支え合う姿は、たしかに美しいものです。でも、きょうだいだからと重いものを一人に背負わせるのではなく、みんなで分け合っていけたら。綺麗ごとかもしれませんが、そう願わずにはいられません。
実は、この物語がわたしにとって他人事に思えなかったのには、理由があります。
うちの息子にも、少し発達に心配なところがあります。これから先、一般的な道を順当に歩んでいけるのか、困ることが増えていくのか、正直まだ分かりません。
親としては、できる限りサポートしていきたい。でも、その重さを、妹の肩にだけ背負わせたくはありません。もちろん、きょうだいだからこそ頼らざるを得ない場面もあるかもしれません。それでも、家族だけで抱え込むのではなく、医療機関や学校とも連携しながら、二人とも生きやすいように、未来が少しでも明るくなるように——できることをしていきたいと思っています。
そして、親であるわたし自身も、いつか頑張りきれなくなる日が来るかもしれません。そんなとき、そっと寄り添ってくれる場所があったら、どんなに心強いだろう。この本を読んで、改めてそう感じました。
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当事者にならないと分からないことが、きっとたくさんあります。だからこそ、社会全体でヤングケアラーの問題に向き合っていく必要があるのだと思います。当事者本人はもちろん、支える家族のケアまで行き届く世の中になってほしいです。
作中に出てくる「きょうだい会」のように、同じ立場の人と気持ちを話せて、楽しく過ごせる場所が、もっと身近にあったらいいなと思います。どうか一人で抱え込まずに、SOSを出してほしい。
両親や菜々実を思いやる、優しい葉澄。この子に幸せな未来がありますようにと、願わずにはいられませんでした。
2時間ほどで読み切れる、すらすらと読みやすい一冊です。中学生はもちろん、大人にもぜひ読んでほしい良作でした。誰もが自由に、やりたいことや夢を見られる世の中になりますように。
📖 小6の娘も読んでみました(子ども目線で)
親のわたしだけでなく、実際に小学6年生の娘にも読んでもらいました。日頃から読書はするタイプの娘は、今年の夏休みの読書感想文を、この本で書くことに決めたようです。

読みながら、感じることもあったようです。ヤングケアラーという言葉は知っていても、その日常までは知らなかった——という娘の反応は、同じ年ごろの読者にも近いのかもしれません。
読書が得意な小6でも「読みやすい」と感じる文章なので、感想文の一冊目として選びやすい一冊だと思います。ヤングケアラーという言葉を入り口に、同年代の子が自分のこととして考えやすい本です。
②チーム・テスならだいじょうぶ|病気と向き合う少女の物語
『チーム・テスならだいじょうぶ』のあらすじ(ネタバレなし)
主人公のテスは、お父さんを亡くしたばかり。新しい学校に通いはじめます。お菓子作りは、お父さんとのつながりを感じられる大切な時間です。
テスは、子ども向けのお菓子作りコンテストのオーディションに招かれ、その費用を稼ぐために犬の散歩の仕事を始めます。ところが大会が近づくにつれ、体の痛みがひどくなり、食べられるものがどんどん減っていって……。
やがてテスは、自分の体に起きていることと向き合うことになります。
テーマ:病気・家族・夢
作者のひとりクイン・ワイアットさん自身が、お腹の慢性的な病気を経験しており、その体験がもとになっています。辛さを隠して頑張ってしまう主人公が、まわりの人に支えられながら前を向く姿が描かれます。
『チーム・テスならだいじょうぶ』の読書感想文の書きやすさ(○)
- お菓子作り・犬など、好きなものを入り口に書ける
- 「頑張りすぎて、しんどさを隠した経験」に共感する子は多い
- 海外が舞台なので、日本との違いに気づいた点も書ける
③リュウグウの砂に挑む|はやぶさ2の科学ノンフィクション
『リュウグウの砂に挑む』のあらすじ・内容
小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウから持ち帰った砂。その貴重な砂を、研究者たちがどのように分析したのかを紹介するノンフィクションです。
著者の伊藤元雄さんは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所の研究員。「生命のもとになる水や有機物は、どこから、どうやって地球に運ばれてきたのか?」という大きな謎に、チームで挑みます。
テーマ:宇宙・科学・チームワーク
「くもんジュニアサイエンス」シリーズの1冊で、対象は小学校高学年から。物語ではなく事実をベースにした本なので、理科や宇宙が好きな子にぴったりです。
『リュウグウの砂に挑む』の読書感想文の書きやすさ(△〜○・書ける子にはハマる)
- 物語の「気持ち」より、「すごい!」と思った事実を書くタイプ
- 宇宙・科学が好きな子なら、いちばん筆が進む
- 「自分も将来こんな研究をしてみたい」と将来の夢につなげやすい
⚠️ 書くときの注意
感想文が「あらすじの説明」だけにならないよう、「いちばん驚いたこと」「自分はどう思ったか」を中心に書くのがコツです。
結局どれを選ぶ?タイプ別おすすめ早見表 🤔
| お子さんのタイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 家族・友だち関係で考えることがある | 君の火がゆらめいている | 気持ちを書きやすい王道。中学生に身近 |
| 頑張り屋・好きなこと(料理・動物)がある | チーム・テスならだいじょうぶ | 好きを入り口に書ける |
| 宇宙・科学が好き、物語が苦手 | リュウグウの砂に挑む | 事実派の子が筆が進む |
✅ 選ぶコツ
迷ったら、お子さんが「自分のことに引きつけて書けそうか」で選ぶのがおすすめです。感想文は「あらすじ」より「自分はどう思ったか」で差がつきます。
📚 気になった1冊は、こちらからチェックできます。
読書感想文がスラスラ書ける書き出しのコツ ✍️
実は、わが家の息子も国語と作文が大の苦手。読書感想文を書かせても、あらすじを写して最後に「面白かった」と書くだけで終わってしまうタイプです。
そんな息子のような子でも書きやすいように、感想文は次の4つのステップで進めるのがおすすめです。
本を選んだ理由から書く
「題名が気になった」「自分と同じ学年が主人公だから」でOK。むずかしく考えなくて大丈夫です。
いちばん心が動いた場面を1つ選ぶ
あらすじは短くでOK。長いと「本の紹介文」で終わってしまいます。心が動いた1場面を深掘りするのがコツです。
「自分だったら」を書く
主人公と同じ立場だったら、自分はどうするか。ここが感想文のいちばん大事なところです。
これからどうしたいかで締める
読んで変わった気持ちや、やってみたいことで終わると、ぐっとまとまります。

まとめ
📝 この記事のまとめ
- 2026年の中学校・課題図書は3冊(物語2冊+科学ノンフィクション1冊)
- 君の火がゆらめいている…きょうだい児の物語。気持ちを書きやすい王道
- チーム・テスならだいじょうぶ…病気と向き合う少女の物語。好きを入り口に
- リュウグウの砂に挑む…はやぶさ2の科学ノンフィクション。理科好きに
- 選ぶコツは「自分のことと重ねて書けるか」
お子さんに合った1冊が見つかりますように。気になる本があれば、図書館は夏前から予約が混みあいます。わが家もいま予約待ち中なので、早めの予約がおすすめです。
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【参考】課題図書一覧:青少年読書感想文全国コンクール公式/各作品の内容:講談社・鈴木出版・くもん出版 各公式サイト


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