八咫烏シリーズを読む順番と全巻あらすじ【2026年完結予定】

読書|本の感想

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八咫烏(やたがらす)シリーズ(阿部智里)を読む順番は、刊行順(出版された順)がいちばんのおすすめです。この順番で読むことを前提に、物語の仕掛けが作られているからです。

わたしは実母や図書館で借りて全巻を読み、アニメも娘と一緒に楽しみました。映像化されたアニメも素敵でしたが、原作にはそれ以上の奥行きと読みごたえがあります。

2026年には、いよいよ本編最終巻『玉座の烏』(上下巻)の刊行が予定されています(出典:文藝春秋「本の話」)。完結前に追いつきたい方へ、全巻の順番とひとことあらすじをまとめました。

📚 八咫烏シリーズを読む順番【全巻一覧表】

順番タイトル区分単行本刊行
1烏に単は似合わない第1部2012年6月
2烏は主を選ばない第1部2013年7月
3黄金の烏第1部2014年7月
4空棺の烏第1部2015年7月
5玉依姫第1部2016年7月
6弥栄の烏第1部2017年7月
7烏百花 蛍の章外伝2018年5月
8楽園の烏第2部2020年9月
9烏百花 白百合の章外伝2021年4月
10追憶の烏第2部2021年8月
11烏の緑羽第2部2022年10月
12望月の烏第2部2024年2月
13亡霊の烏第2部2025年3月
最終巻玉座の烏(上・下)第2部2026年刊行予定

※刊行年月は単行本(ハードカバー)初版の日付です。文庫版は各巻2年ほど遅れて発売されており、日付が異なります。

なぜ刊行順? 時系列じゃだめ?

八咫烏シリーズは「同じ出来事を別の人の目から見ると、まったく違う物語になる」という仕掛けが魅力のシリーズです。とくに1巻と2巻は、同じ時期の出来事を別の視点から描いた表と裏の関係。刊行順に読むことで、この驚きを最大限に味わえます。

展開の読めないストーリーと大どんでん返し、そして伏線回収が本当に秀逸で、わたしは作者の力量に感心しました。この伏線の効き方こそ、刊行順で読んでほしいいちばんの理由です。

⚠️ 第2部から先に読まないで

第2部(8冊目以降)には第1部の真相に触れる内容が含まれます。第1部を飛ばして第2部から読むのはおすすめしません。

そもそも八咫烏シリーズとは? どんな話?

霧のかかった山あいの渓谷。八咫烏シリーズの舞台・山内のイメージ

舞台は、人間の代わりに「八咫烏」の一族が暮らす異世界・山内(やまうち)。住人はみな、烏の姿と人の姿を行き来できる八咫烏で、普段は人の姿で生活しています。貴族から平民まで身分のある社会で、物語の最初の舞台となるのは、平安貴族を思わせる宮中です。

物語は世継ぎの后(きさき)選びから始まり、宮廷の陰謀、少年の成長物語、やがて山内を脅かす人喰いの大猿との戦い、そして世界の成り立ちの謎へ——1巻ごとに物語の顔が変わっていくのが大きな魅力です。

第1作『烏に単は似合わない』は、第19回松本清張賞を史上最年少で受賞したデビュー作です(出典:Wikipedia「阿部智里」)。

主要人物(ネタバレなし)

※紹介はアニメ公式サイト・文春コミカライズ特設サイトの人物紹介をもとにしています。

◆ 主役のふたり

人物紹介
雪哉(ゆきや)北領・垂氷郷(たるひごう)の郷長家の次男。周りには「ぼんくら」で通っているが、本当は誰よりも優秀。ひょんなことから若宮の側仕えに抜擢される。シリーズの実質的な主人公
若宮(わかみや)「真の金烏(きんう)」とされる山内の皇太子。類まれな美貌の持ち主だが、その性格は……。型破りでミステリアス

◆ 后選びに集った四家の姫

人物紹介
あせび東家の二の姫。病に伏した姉の代わりに登殿した箱入り娘。音楽の才能を持つ。無邪気な天然なのか、それとも……?
浜木綿(はまゆう)商才に長けた南家の一の姫。男まさりでさっぱりした気性の、かっこいい女性(わたしの推しです)
真赭の薄(ますほのすすき)西家の一の姫。美しいけれど高慢で、若宮に恋焦がれている
白珠(しらたま)北家の三の姫。物静かで、どこか危うげな印象の美少女

◆ 宮廷の人々

人物紹介
長束(なつか)若宮の腹違いの兄宮。「金烏」を継ぐはずだった長子で、多くの信奉者を持つ偉丈夫
藤波(ふじなみ)内親王で、若宮の実の妹。教育係があせびの母だった縁で、あせびを「おねえさま」と慕う
大紫の御前(おおむらさきのおまえ)皇后。南家出身で長束の母。息子を次の「金烏」にするために策をめぐらす
澄尾(すみお)山内衆(さんないしゅう)の青年で、若宮の唯一の護衛。平民の出から首席で選ばれた実力派

このほかにも魅力的な人物が次々に登場します(第2部で出会えるあの人たちは、読んでのお楽しみ)。誰を好きになるかで、シリーズの楽しみ方が変わりますよ。

第1部(1〜6冊目)ひとことあらすじ

満開の桜。烏に単は似合わないの后選びが行われる春の宮中のイメージ

1『烏に単は似合わない』

世継ぎである若宮の后の座をめぐり、四家の姫たちが宮中で繰り広げる后選びの物語。最後まで読むと、世界がひっくり返ります。

ひとことだけ言わせてください。あせびは、怖い。

この「怖い」の中身は、別の記事でじっくり考察しました。

あせびが怖い理由と正体の考察はこちら

四家の姫のなかで、わたしが好きなのは浜木綿。背が高く、性格も振る舞いも男まさりで、さっぱりとしたかっこいい女性です。

2『烏は主を選ばない』

1巻と同じ時期の出来事を、若宮に仕えることになった少年・雪哉の目から描く一冊です。

本当は誰よりも優秀なのに、家督争いを避けるために「ぼんくら次男」を演じる雪哉。郷里と家族を愛する、明るく飄々(ひょうひょう)とした雪哉がわたしは大好きです。

一方の若宮は、貴公子然とした美しい容姿の、ミステリアスで気品のある美男子。ひと癖ある性格なのにカリスマ性があって、目が離せません。女心に疎いところは残念ですが、そこも可愛いんです。このふたりの遠慮のないやりとりが微笑ましくて、第1部のなかでは肩の力を抜いて読める巻でもあります。

3『黄金の烏』

宮廷ミステリーだった物語が一変。人喰いの大猿が現れ、山内の外に広がる大きな謎が動き出す巻です。アニメの続きが気になる人は、ここから。

4『空棺の烏』

雪哉が、武人を育てる学校「勁草院(けいそういん)」に入る学園編。若者たちが競い合いながら友情を深めていきます。

5『玉依姫』

舞台は一転、現代を生きる人間の少女の視点で描かれる巻。現代と山内、ふたつの世界が交錯して、シリーズの見え方が大きく変わります。

6『弥栄の烏』

第1部完結。1〜5巻の伏線が一気に回収されます。この回収の見事さは、刊行順に読んできた人へのごほうびです。

ひとつだけ正直に。このシリーズには残酷で怖い描写もあり、辛い気持ちになる場面もあります。それでもページをめくる手が止まらないのが、この物語のすごさです。

外伝『烏百花』2冊はいつ読む?

『蛍の章』『白百合の章』は、本編キャラたちの過去や恋を描く短編集です。刊行順どおり(7冊目・9冊目)に読むのが安心ですが、本編の合間の息抜きとして、いつ読んでも楽しめます。ただし各短編は本編の進行に触れるので、少なくとも第1部読了後がおすすめです。

第2部(楽園の烏〜)は必ず第1部のあとに

枝にとまるカラス。八咫烏シリーズのイメージ

第2部は、第1部から時が流れた山内が舞台。雰囲気もぐっと大人向けになります。

  • 8『楽園の烏』:第2部開幕。外界の人間の視点から、再び山内へ
  • 10『追憶の烏』:衝撃の展開で読者をざわつかせた巻
  • 11『烏の緑羽』:ある人物の過去を描く
  • 12『望月の烏』:新たな后選びの物語
  • 13『亡霊の烏』:現時点の最新刊。第2部の物語がいよいよ終盤へと動き出す一冊。ここまで来たら、最終巻『玉座の烏』はもう目の前です

🐦 アニメから入った人へ:続きは3巻から

アニメ『烏は主を選ばない』(2024年4月6日〜9月21日・NHK総合・全20話)は、原作の1巻『烏に単は似合わない』と2巻『烏は主を選ばない』の内容を再構成して映像化したものです。最終話(第20話)は「黄金の烏」というタイトルで、雪哉が勁草院を目指して歩き出すところまでが描かれました。

原作にとても忠実で、あの美しい世界観をよく表現してくれたアニメでした。わたしは娘と一緒に、楽しく見ました。

アニメの続きが気になる人は、3巻『黄金の烏』から読むのが最短ルートです。1・2巻を原作で読み直すのも断然おすすめ。アニメでは描き切れなかった心の動きまで味わえます。

漫画版『烏に単は似合わない』(松崎夏未・全4巻)も絵が美しく、小物や背景まで丁寧に描かれていて、原作の世界観と違和感がありません。

わたしもアニメの続きをぜひ見たいのですが、第2シーズンは今のところ発表されていません(2026年7月時点)。発表があれば、この記事に追記します。

ちなみに、うちの子どもたち(中学生・小学生)には「まだ難しいかな?」と思って勧めませんでした。宮廷の陰謀や残酷な描写もある、基本的には大人向けのファンタジーです。

八咫烏シリーズは完結してる?最終巻『玉座の烏』はいつ?

文藝春秋の公式サイト「本の話」によると、本編最終巻『玉座の烏』は、上下巻・2ヶ月連続刊行が2026年に予定されています(2026年7月時点で発売日は未発表。発表され次第、この記事に追記します)。

2012年の『烏に単は似合わない』から続いた物語が、ついに完結します。累計260万部を突破した大河ファンタジー(出典:文藝春秋)。今から読み始めても、単行本13冊。完結までに追いつけます。

完結が楽しみで仕方ないけれど、終わってしまうのは寂しい。長く読んできた身としては、今はそんな気持ちです。

どの形で読む?(単行本・文庫・借りる)

第1部と外伝、第2部の途中までは、文春文庫で文庫化されています。これから揃えるなら、文庫が手頃です。

ちなみにわたしは、実母に借りたり図書館で借りたりして読みました。母娘で貸し借りして感想を言い合えるのも、長いシリーズものの楽しみです。図書館でも定番の人気シリーズなので、まず1巻を借りて相性を確かめるのもおすすめです。

まずは1巻から。小説の文庫版と、絵の美しい漫画版のリンクを置いておきます。

最新刊『亡霊の烏』はこちら。

📝 まとめ

✅ この記事のまとめ

  • 読む順番は刊行順が正解(上の一覧表の通り)
  • 第2部から先に読まない
  • 外伝『烏百花』は第1部読了後ならいつでも
  • アニメの続きは3巻『黄金の烏』から
  • 最終巻『玉座の烏』は2026年刊行予定。今なら完結に間に合う

同じ和風の大河ファンタジーなら、十二国記もおすすめです。

十二国記を読む順番と新刊情報はこちら

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