ふつつかな悪女ではございますが 正直な感想|完璧なヒロインより“悪女”に惹かれる後宮ファンタジー【2026年7月アニメ化】

読書|本の感想

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『ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜』、通称「ふつつかな悪女」。2026年7月から放送された第1クールは、9月20日に全11話で完結しました。そして2027年1月から第2クールの放送が決まっています。

わたしはもともと中華後宮モノが大好きで、『薬屋のひとりごと』や『後宮の烏』の世界にどっぷりハマってきました。だから今回も「後宮の話なら、きっと好きだろうな」と、かなり軽い気持ちで観はじめたんです。

ところが——観て、原作漫画も読み進めるうちに、気持ちがどんどん揺さぶられていきました。観はじめの印象が、いつのまにかすっかりひっくり返っている。そんな不思議な作品でした。

この記事では、実際にアニメを観て原作漫画も読んだわたしが、ネタバレなしで「どんな話か」「どこに惹かれたのか(そして最初どこが引っかかったのか)」を正直にお話しします。「気になっているけど、今から観て・読んで面白い?」と迷っている方の参考になればうれしいです。

ふつつかな悪女ってどんな話?(ネタバレなしのあらすじ)

中華風の宮殿(後宮のイメージ)
※イメージ画像です

舞台は、詠国(えいこく)という国の後宮。ここには「雛宮(すうぐう)」と呼ばれる場所があり、五つの名家から集められた婚姻前の娘たち——「雛女(すうじょ)」が、次の妃をめざして暮らしています。

主人公は、五家のひとつ「黄家」の雛女・黄玲琳(こう れいりん)。美しく聡明で優しく、「殿下の胡蝶」と呼ばれ、次の皇后は確実とまで言われる完璧なお嬢さまです。

一方、同じく雛女でありながら「雛宮のどぶネズミ」とさげすまれているのが、「朱家」の朱慧月(しゅ けいげつ)。誰からも愛される玲琳を妬んでいた慧月は、数百年ぶりに箒星(ほうきぼし)が流れた夜、ひそかに磨いていた道術を使います。その結果——二人の身体が入れ替わってしまうのです。

完璧なお姫さまと、嫌われ者の悪女。正反対の二人が入れ替わってしまったことで、物語は思いもよらない方向へ転がっていきます。

📌 ふつつかな悪女の基本情報

原作中村颯希(小説家になろう発)
イラストゆき哉
漫画作画尾羊英
出版社・レーベル一迅社ノベルス/ZERO-SUM COMICS
既刊小説12巻・漫画10巻(2026年3月時点・連載中)
ジャンル中華後宮ファンタジー・入れ替わり
シリーズ累計400万部突破(2025年9月時点・一迅社発表)

※「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門で7位に選ばれた人気作です。

ふつつかな悪女の主な登場人物

物語の中心は、入れ替わってしまった二人です。

黄玲琳(こう れいりん/CV:石見舞菜香)
「殿下の胡蝶」と呼ばれる、黄家の雛女。見た目も頭脳も才能も、周囲からの信頼や寵愛も——すべてを持っている完璧なお嬢さま。ただし、人には見せませんが病弱な身体を抱えています。

朱慧月(しゅ けいげつ/CV:川井田夏海)
「雛宮のどぶネズミ」とさげすまれる、朱家の雛女。容姿や器量では他の雛女に劣り、卑屈な性格から嫌われ者に。けれど、ひそかに道士としての才能を磨いています。原作のキャラクター人気投票では、なんと1位を獲得した“愛される悪役”です。

辰宇(しんう/CV:梅原裕一郎)
後宮の風紀を取り締まる鷲官長(しゅうかんちょう)。人気投票4位のクールな人物です。

詠尭明(えい ぎょうめい/CV:古川慎)
皇太子で、玲琳の従兄です。

このほか、藍家・金家・玄家からもそれぞれ個性的な雛女が登場し、後宮を彩ります。

🦋 魅力を感じなかったのは、じつは1話の“ほんの序盤だけ”

ここからは、わたしの正直な感想です。

アニメ第1話の序盤、完璧で誰からも愛される玲琳を見て、実は……あまり魅力を感じませんでした。

身分も、容姿も、頭脳も、才能も。周りからの信頼も寵愛も、ぜんぶ持っている。すでに「殿下の胡蝶」と呼ばれ、皇后になるのも確実。そんな“最初から完成された”ヒロインに、正直なところ、どう感情移入していいのか分からなかったのです。

ところが——そう思っていられたのは、本当に最初だけでした。1話のうちにもう、玲琳のイメージはガラッとひっくり返ります。

すずらん
すずらん
完璧すぎて遠い存在に感じたのは最初の数分だけ。そのあとは一気に引き込まれました。

入れ替わったあとの玲琳が、とにかく面白い

慧月と入れ替わってからの玲琳は、もう別人のようでした。

嫌われ者・慧月の身体に入れ替わって牢屋に入れられても、まったくめげません。それどころか、牢の中で反復横跳びをしたり、虫を素手でつかんでしまったり。あまりに豪快でぶっ飛んだ行動に、思わず笑ってしまいました。

そして漫画を2巻まで読んで、いちばん驚いたことがあります。それは、玲琳の“努力の鬼”ぶりの正体です。

じつは玲琳、もともとの身体はすぐに発熱して気絶してしまうほど虚弱だったのです。その弱さを周りに隠しながら、人知れず努力を重ねて、あの完璧な「殿下の胡蝶」を演じきっていた——。最初に感じた“何もかも持っている完璧なお嬢さま”の正体は、じつは鋼のメンタルと努力のかたまりだったんですね。

だからこそ、入れ替わりを「僥倖(ぎょうこう)」だと受け止められる。もともと虚弱だった玲琳にとって、慧月の健康な身体はむしろうれしいもの。それどころか、自分の弱い身体を慧月に渡してしまったことを「申し訳ない」と思うほどの心の広さなのです。

完璧に見えた姿の裏に、こんな努力と優しさが隠れていた。その意外さに、わたしはすっかり玲琳に魅了されてしまいました。

悪役なのに人気投票1位!慧月から目が離せない

そしてもうひとり気になるのが、悪役の慧月です。

序盤は、玲琳を妬んで入れ替わりを起こす——まさに“悪女”でしかありません。それなのに、原作のキャラクター人気投票では堂々の1位。主人公の玲琳(2位)を抑えての首位なんです。

これはもう、「この先、慧月がどんなふうに変わっていくの?」と気にならずにはいられません。悪役だったはずの彼女に、いつのまにか読者みんなが惹かれていく。その過程こそが、この作品の大きな見どころなんだと思います。

📌 原作キャラクター人気投票の結果(一迅社/総投票数1,820票)

順位キャラクター得票数
1位朱 慧月876票
2位黄 玲琳458票
3位黄 景彰99票
4位辰宇97票
5位莉莉―
11位詠 尭明(皇太子)16票

1位の慧月は876票。主人公である2位の玲琳(458票)に、ほぼ倍の差をつけての首位です。

ちなみに皇太子の尭明は11位・16票。結果発表のとき、公式アカウントもわざわざ「尭明も忘れないでネ…」と添えていました。

※6〜10位は一迅社の結果発表ページに画像で掲載されています。

すずらん
すずらん
悪女が人気投票1位って、それだけでもう続きが気になっちゃいます。
花にとまる蝶(殿下の胡蝶のイメージ)
※イメージ画像です

全11話を観たアニメの評価|作画も内容も期待以上でした

ここからは、アニメを最終回まで観て、原作漫画も放送された範囲まで読んだ今の感想です。

結論から言うと、最初に感じた「面白い」は、そのまま続いています。

とことん前向きな玲琳に、元気をもらえる

玲琳は、とにかく可愛いんです。そして、いい意味でぶっ飛んでいます。

観ていていちばんいいのが、その前向きさです。とことん前を向いている玲琳を見ていると、こちらまで元気をもらえます。

慧月の人気1位に、心から納得した

この記事を書きはじめたときは、「悪役なのに人気投票1位って、どういうこと?」という気持ちでした。

読み進めた今は、はっきり納得しています。慧月は、だんだん魅力がわかってくるキャラクターなんです。

玲琳のまっすぐさが、慧月の心に届きそう

玲琳の魅力は、優しさと、裏表のないまっすぐな性格です。

その玲琳のまっすぐさが、慧月の頑なに閉ざされた心に、手が届きそうに見えてきました。

7話では、物語がさらに大きく動きました。ここから先はネタバレになるので、枠に分けておきます。

⚠️ ここから7話までのネタバレを含みます

6話で「気づいたのでは?」とにおわせていたことが、7話ではっきりしました。玲琳に絶対の忠誠を誓う筆頭女官・黄冬雪(こう とうせつ)が、慧月の姿をした玲琳と向き合い、二人の入れ替わりを悟ります。

そしてもうひとり。慧月に仕える女官の莉莉(リーリー)も、じつはずっと気づいていました。それでも口にしなかったのは、言葉にしてしまったら、いまの心地よい関係が消えてしまいそうで怖かったから——。

ずっと二人だけで抱えてきた秘密に、はじめて味方が加わりました。

一方、玲琳の姿でいる慧月は、自分あての贈り物に呪いがかけられていることに気づきます。そしてその裏にいる人物に思い当たり、絶望することになります。

皇后・絹秀(けんしゅう/玲琳の伯母)のまわりにも、不穏な気配が漂いはじめました。

慧月が可哀想だった|ほしかったのは玲琳自身だったのかも

第7話まで観た時点で、いちばん心に残ったのは慧月でした。

玲琳の外見を手に入れても、慧月がほしかったものは手に入っていません。愛されない自分に絶望して泣く姿が、とにかく可哀想でした。

これまでのふるまいを考えれば、自業自得ではあります。それでも、「環境が悪かったんだろうなぁ」と思わずにはいられませんでした。

慧月がほしかったのは、玲琳の立場だったのだと思います。いえ、それ以上に——玲琳自身になりたかったのではないでしょうか。

嫌って、否定して。でもその裏では、どうしようもなく憧れていた。慧月にとって玲琳は、理想の女性だったのだと思います。

その玲琳の、嘘偽りのない優しさに触れて。慧月はきっと、これから変わっていくのだと思います。

衣装も背景も、細部まで本当に美しい

そしてもうひとつ、観ていて驚いたのが作画の美しさです。

個性的なキャラクターたちが、みんなとても魅力的に見えるんです。

作品を大切に、丁寧に作っているんだなというのが、画面から伝わってきます。

すずらん
すずらん
全11話、最後まで面白かったです。そして、ため息が出るくらい絵が美しい。

⚠️ 最終回(第11話)の感想|ここから先はネタバレです

ここから先は最終回の内容にふれます。まだ観ていない方は、この章は飛ばしてくださいね。

最後まで面白かった、というのが観終わった素直な気持ちです。

入れ替わりは、ちゃんと解消されました。

でも、そこで終わらないのがこの作品らしいところ。そのあとも玲琳の希望で、二人は度々入れ替わりを楽しんでいるんです。あれだけ大変な目にあったのに、と笑ってしまいました。

事件の真犯人が幸せになったわけではありません。それでも、できうる範囲で全員が救われるようなラストでした。

みんなが玲琳の優しさや明るさに救われて、笑顔になっていく。観ているこちらまで、気持ちがあたたかくなりました。

そして最後まで、素直になりきれない慧月がとても可愛かったです。

ちなみにわたしがいちばん好きなのは、慧月の姿でいるときの玲琳です。

第2クールは2027年1月から|第二幕『はじめての外遊』編

最終回の直後、うれしい発表がありました。第2クールが2027年1月から放送されます。

公式のメインビジュアルには「第二幕『はじめての外遊』編 開幕」の文字。第1クールは雛宮の中が舞台でしたが、今度は外へ出ていくようです。

第1クール全11話(2026年7月12日〜9月20日)
第2クール2027年1月より放送
第二幕『はじめての外遊』編

新キャラクターは3人。ひとりは人気投票3位

キャラクター声優どんな人
黄景行(こう けいこう)中村悠一玲琳と同じ黄家の人物
黄景彰(こう けいしょう)土岐隼一同じく黄家。原作の人気投票3位
雲嵐(うんらん)小林千晃南領の邑で次期頭領と目される、謎の多い人物

黄景行と黄景彰は、原作では玲琳の兄にあたる人物です。

土岐隼一さんは黄景彰について「黄家はかなり豪胆な血筋のようで、それぞれに性格の違いはあれど心に1本の芯が通った力強さを感じています」とコメントしています。

注目したいのは、黄景彰が原作の人気投票で3位(99票)だということ。慧月・玲琳に次ぐ人気のキャラクターが、いよいよアニメに登場します。

すずらん
すずらん
最終回に登場したお兄さん、かなりのイケメンでした。声も良かったので、第2クールが楽しみです。

そしてメインビジュアルを見ると、前面の二人はまた入れ替わっているように見えます。また入れ替わって騒動を起こすのかも——と想像するだけで楽しみです(これはわたしの勝手な予想です)。

これからが楽しみなポイント

第1クールは完結しましたが、第2クールに向けてわくわくしている点がいくつもあります。

  • 玲琳と慧月の関係の変化:正反対の二人が、これからどう変わっていくのか
  • 5人の雛女たちのバトル:後宮が舞台なので、妃の座をめぐる駆け引きもきっと見どころ
  • 雛宮の外では何が起こるの?:第二幕は『はじめての外遊』編。舞台が雛宮の外へ移ります
  • 玲琳の兄たちは、二人にどう関わってくるの?:黄景行と黄景彰が、いよいよアニメに登場します

ちなみに、今のところわたしの推しは、皇太子の尭明よりも、鷲官長の辰宇。クールな彼が、これからどう物語に関わってくるのか楽しみです。

📺 アニメと原作、どっちから観る・読む?

「ふつつかな悪女」の第1クールは、2026年7月12日から9月20日まで、テレビ東京系列ほかで放送されました。

放送第1クール:2026年7月〜9月(全11話)
第2クール:2027年1月より
アニメーション制作動画工房
監督山﨑みつえ
オープニングmilet「Sunny」
エンディングロクデナシ「ホウキボシ」

※放送局・放送時間・配信サービスは変更になる場合があります。視聴前に公式サイト等で最新情報をご確認ください。

まず映像で世界観を味わいたいなら、アニメから。配信ではDMM TVなどで観ることができます。

「続きが気になって待てない!」という方は、原作漫画へ進むのがおすすめ。わたし自身、アニメを観てすぐに漫画を読み始めてしまいました。入れ替わり後の玲琳の魅力は、原作を読むとさらにじわじわ効いてきます。

わたしはアニメで放送された範囲までは、原作漫画も読みました。絵もきれいで、とても面白かったです。アニメと原作、どちらも楽しめると思います。

原作は、2026年3月時点で漫画10巻・小説12巻まで発売中です(どちらも連載中)。気になった巻から、気軽にチェックしてみてくださいね。

なお、2026年8月31日には『ふつつかな悪女ではございますが掌編集1 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』が発売されました(一迅社ノベルス・税込1,430円)。1〜6巻の特典ショートストーリーなど、単行本未収録の32編を収めた1冊です。

漫画なら、玲琳と慧月の表情や衣装の美しさが絵でそのまま伝わってきます。気になった方は、まず1話だけ試し読みしてみませんか?

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中華後宮ファンタジーが好きならこれも

「ふつつかな悪女」の後宮の空気感が好きなら、同じ中華後宮モノもきっと楽しめます。わたしがこの作品を観はじめたきっかけも、もともと後宮ファンタジーが大好きだったからでした。

▶ 関連記事:中華後宮モノの名作『薬屋のひとりごと』の正直な感想はこちら

よくある質問(FAQ)

Q. ふつつかな悪女のアニメに2期はありますか?
A. はい。2027年1月から第2クールの放送が決まっています(2026年9月21日発表)。第1クールは全11話で、2026年9月20日の放送で完結しました。第2クールは第二幕『はじめての外遊』編としてはじまります。

Q. ふつつかな悪女は完結していますか?
A. いいえ、2026年9月時点でまだ連載中です。原作小説は12巻、漫画は10巻まで刊行されていて、物語は現在も続いています。

Q. 玲琳は誰と結ばれるの?
A. 恋の行方も気になるところですが、物語がまだ進行中のため、ここでは詳しくは触れません(ネタバレになってしまうので)。皇太子の尭明や、鷲官長の辰宇など魅力的な男性が登場するので、その関係性の変化もぜひ本編で見届けてください。

Q. アニメはどこで見られますか?
A. 第1クールはテレビ東京系列ほかで放送され、DMM TVなどの配信サービスでも視聴できます。配信は変更される場合があるので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

📝 まとめ

  • 「ふつつかな悪女」は、完璧なお姫さまと嫌われ者の悪女が入れ替わる中華後宮ファンタジー
  • 序盤だけは完璧すぎてピンとこなかった玲琳が、じつは虚弱を隠した努力家だと分かって一気に惹かれた
  • 悪役の慧月が人気投票1位(876票・2位の玲琳に倍近い差)という、“愛される悪女”の魅力
  • 原作は漫画10巻・小説12巻まで(連載中)、シリーズ累計400万部の人気作
  • 中華後宮モノや『薬屋のひとりごと』が好きな人におすすめ
  • 衣装も背景も細部まで美しく、作画の丁寧さも見どころ
  • 第1クールは全11話で完結。2027年1月から第二幕『はじめての外遊』編がはじまる

最初はピンとこなくても、観ているうちに気持ちを揺さぶられる——そんな一作です。第2クールがはじまる前に、アニメと原作、両方でその感情の振れ幅を味わってみてください。

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