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本屋大賞2026が発表されたのは、4月9日のことでした。
受賞作は朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』。
以前、図書館で借りて衝撃を受けた作品です。
本当に面白くて読むのが止まらず、読み終わってからもしばらく本を閉じたまま、ぼーっと考え込んでしまいました。
今日は、本屋大賞2026受賞作を読んだ40代主婦の感想を書いていきます。
専業主婦になって、読書時間が戻ってきた
去年、10年以上続けてきた仕事を辞めて専業主婦になりました。
決断するまでにすごく悩見ました。
これからますます教育費がかかってくるのに収入がなくなること、社会との接点が薄くなること、「私、何をしている人間なんだろう」という焦り。
頭の中でぐるぐるしながら、それでも「家族ともっと向き合いたい」という気持ちや心身の状況を考えて、踏み出した一歩でした。
今振り返ってみると、専業主婦になってよかったことのひとつが「読書時間が戻ってきた」ことです。
フルタイムで働いていたころは、昼休みや習い事の待ち時間にスマホをぼんやり眺めるのが精一杯で。
読みたい本はどんどん積み上がっていく一方でした。
専業主婦になってからは、図書館に通うのが週の楽しみになりました。
子どもたちが学校に行った後の午前中、コーヒーを一杯淹れて、本を開く。
それが今の私の、ちょっとした贅沢です。
本屋大賞や文学賞が発表されるたびにチェックするのも、そんな読書習慣の中で自然と生まれた楽しみのひとつになっています。
本屋大賞2026受賞作「イン・ザ・メガチャーチ」ってどんな本?
著者は朝井リョウさん。
『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など、人間の本音をえぐるような作品で知られる作家さんです。
今作のテーマは「推し活」と「物語の力」。
登場人物は3人。
アイドルのデビューを仕掛けてきた40代の男性、内向的で「推し」を持つ女子大学生、「推し」の俳優の訃報に接した30代女性。
世代も立場も違う3人の視点から、「人の心を動かす”物語”の功罪」が描かれていきます。
作中に出てくる、「神がいないこの国で人を操るには、”物語”を使うのが一番いい」という趣旨のセリフ(朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』より)。
最初にこの部分を読んだとき、背中がヒヤッとしました。
「ファンダム経済を仕掛ける側」と「のめり込む側」が同時に描かれていく構造がすごく面白くて、読み始めたら止まらなかったです。
💡 作品の基本情報
- 著者:朝井リョウ
- 刊行:2025年9月(日経新聞夕刊2023〜2024年連載の単行本化)
- テーマ:推し活・物語の功罪・ファンダム経済
- 2026年本屋大賞 大賞受賞作
「推し活の話か…私には関係ないかも」と最初は思ったけど
正直に言うと、最初は「推し活の話か。私には関係ないかな」と思っていました。
私自身、特定の「推し」がいるわけじゃないし。
若い頃は「推し」がいたので気持ちがわからないわけではないけど、今はなぁ…と。
でも読み進めるうちに気づいたんです。
「あれ、私にも”のめり込んでいるもの”って、あるじゃないか」と。
たとえば、息子の剣道の試合。
武道館の神聖な雰囲気の中、防具をつけて竹刀を握る姿は凛としていて格好良いな、と思ったり。
娘の好きなアニメを一緒に見て、「このキャラクターが好きすぎる!」と語り合ったり。
あれって、広い意味で「推し活」じゃないのかな。
何かに熱くなれること、誰かを全力で応援できること。
それは生きていくうえでのエネルギーになるし、日常をちょっと輝かせてくれるものだと思う。
そのことが、この本を読んでじわじわと伝わってきました。
「推し活」を遠い世界の話だと思っていた私も、読んでいるうちに「これは私の話でもある」と感じはじめていました。
「物語を仕掛ける側」の論理が、怖くてリアルだった
この本で一番ゾクッとしたのが、「仕掛ける側」の男性の描写でした。
人の感情を動かすことを仕事にしてきた男。
彼の目線を通して見えてくる「人が熱狂する仕組み」が、なんとも生々しくて。
「物語を上手に使えば、人はいとも簡単に動く」という感覚が、作中でリアルに描かれています。
読んでいて「あ、私もこういう”物語”に日常的に触れているな」と気づかされました。
SNSで見かける感動のエピソード、子育て系のコンテンツ、節約成功体験談。
どれもこれも、誰かが「伝えよう」と意図を持って作った”物語”でもある。
このブログだって、そうですよね。
「感動した・共感した・役に立った」という感情は本物だとしても、「なぜ自分はそれに動かされたのか」を知っておくことって大事だな、と改めて思いました。
それが「メディアリテラシー」というやつなのかもしれないけれど、もっとシンプルに「自分の感情に自覚的であること」だと思うんです。
でも同時に、人の心を動かす物語があるから世界は温かくもある。
その両面を、朝井リョウさんはとても丁寧に描いていると感じました。
読んでいて怖いけど、目が離せない。
そういう意味でも、この本屋大賞2026受賞作は「今の時代を映す鏡」みたいな一冊だと思います。
40代になって「問いかけてくる本」が好きになった気がする
20代のころは、娯楽として「楽しく読める本」が好きでした。
30代は仕事と子育てが忙しくて、読書自体があまりできなかった。
そして40代になった今、「読んだ後に考え込んでしまう本」に惹かれるようになってきた気がします。
『イン・ザ・メガチャーチ』もまさにそういう本でした。
「面白かった!」で終わるんじゃなくて、「私はどうだろう」と自分に問いかけてくる。
専業主婦になって時間ができたからこそ、こういう本をじっくり読めるようになったのかもしれない。
フルタイムで働いていたころの私には、この本はたぶんそこまで刺さらなかったと思う。
忙しいと「問いかけ」を受け取る余裕がなくて、素通りしてしまうから。
今の私は、本の問いかけにちゃんと立ち止まれる。
それだけで、今の暮らしに感謝できる気がします。
再就職するかどうか、これからどう生きるか、まだ答えは出ていないけれど。
こうして本と向き合う時間が、今の私の「生きるよりどころ」になっています。
💙 本屋大賞2026「イン・ザ・メガチャーチ」おすすめポイント
- 推し活・物語・人の心を動かすものについて深く考えられる
- 「仕掛ける側」と「のめり込む側」両方の視点があって読み応えたっぷり
- 読後に自分の感情や行動を振り返りたくなる
- 40代以上の読者に特に刺さる場面が多い
まとめ:本屋大賞2026、読んで後悔なしの一冊でした
本屋大賞2026受賞作、朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』。
「推し活」「物語の功罪」という現代的なテーマを扱いながら、読んだ後に自分自身を問い直したくなる一冊です。
軽く読める本ではないけれど、ちゃんと読む価値がある。
40代になって人生の折り返し地点を意識するようになった今だからこそ、刺さる言葉がたくさんありました。
私は図書館で借りましたが、手元に置いておきたいと思った人はぜひ購入してほしい一冊です。
「本を読む時間って、自分と向き合う時間なんだな」と改めて感じた読書体験でした。
次はノミネート作品の中から何を読もうかな、と迷い中です。
瀬尾まいこさんの『ありか』も気になっています。また感想をレポートしますね。

📖 こんな「問いかけてくる本」もおすすめ
『イン・ザ・メガチャーチ』のように、40代になって読むと心にじんわり沁みる本を他にも紹介しています。
- ▶ 6人の女性が「幸せな収入」を問いかける小説の感想はこちら
- ▶ 疲れた心に染みるほっこり異世界ファンタジーの感想はこちら
- ▶ 娘と読んで「命をいただく」を考えた絵本の感想はこちら
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