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先日、休日のカフェで先輩ママに息子の愚痴を聞いてもらっていました。「うちの息子、全然勉強しなくて……」と話をする中、息子さんはどうだった?と投げかけた質問に対して言いにくそうに、こう教えてくれました。
「実はね、大学の学費は一度も払ったことがないの」
シングルマザーとして息子さんを育ててきた彼女。大変だったろうと思っていたので、思わず聞き返してしまいました。
息子さんの進路はこうでした。
- 地元の公立高校へ進学
- 定期テストで常に上位をキープ
- 評定平均を高く保ち、学校推薦型選抜で国立大学へ
- 大学でも好成績をキープ → 授業料免除が継続
- 大学院(修士課程)へ進学 → そちらでも免除
- 今年、大学院を卒業して大手企業へ就職
しかも母の日にはご当地プリンを送ってくれるという……。さらに聞いてみたら、怒ったことも「勉強しなさい」と言ったこともほとんどなかったそうで。
きっと息子さんは、シングルマザーのお母さんに負担をかけたくなくて、一生懸命頑張ったのだろうなと思うと、じんとしてしまいました。
「一握りの秀才だけの話でしょ」と言ってしまえばそれまで。でも戦略として見ると、これはかなり理にかなっている進路なんです。この記事では、公立高校〜国立大学〜学費免除のルートを、費用とデータで整理してみます。
① まず「高校3年間の費用」を確認する
文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」によると、高校3年間のトータル費用の平均はこのくらいです。
| 公立高校 | 私立高校 | |
|---|---|---|
| 3年間の学習費総額(平均) | 約179万円 | 約309万円 |
| うち補助学習費(塾など) | 多め | 少なめ |
(出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」)
興味深いのは、塾代は公立の方が多いという点。私立高校は学校内の補講・講習が充実しているため、塾への支出が少なくなる傾向があります。
② 国立大学4年間の費用
国立大学の標準的な授業料・入学金は省令で定められています。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 282,000円 |
| 年間授業料(標準額) | 535,800円 |
| 4年間の合計(標準) | 約242万円 |
(出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令)
※東京大学など一部の国立大学は2025年度から授業料を引き上げています(上限は標準額の120%)。
💰 ③ 3つの戦略でトータルコストを比べる
高校から大学までを通して、よくある3つの進路戦略で費用を比べてみます。
| 戦略 | 高校3年間 | 大学4年間 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| ①公立+推薦→国立大 | 約179万円 | 約242万円 | 約421万円 |
| ②公立+塾→一般入試→国立大 | 約179万円+塾代 | 約242万円 | 約521〜621万円 |
| ③私立+カリキュラム活用→国立大 | 約309万円 | 約242万円 | 約551万円 |
(塾費用の参考:大手予備校・個別指導の公開料金をもとに試算)
推薦で国立大に進めれば、高校から大学まで約421万円が目安。塾代がかからない分、3つの中で最もコストが抑えられます。
💡 ポイント
「無理のない公立高校で常に上位」を狙う方が、難関校で中位をうろうろするよりも推薦には近くなります。偏差値の高い高校に無理して入って中位に沈むより、身の丈に合った高校で1番を取り続ける方が推薦を狙いやすいんです。

🏦 ④ 国立大学の「授業料免除」制度とは?
先輩ママの息子さんが学費ゼロで大学を卒業できた理由のひとつが、授業料免除制度です。
高等教育の修学支援新制度(学部生対象)
2020年にスタートしたこの制度は、家庭の収入に応じて授業料を免除または減額するものです。
| 区分 | 年収目安(4人世帯の場合) | 国立大学の免除額(年額) |
|---|---|---|
| 第1区分 | 約271万円以下 | 約54万円(全額相当) |
| 第2区分 | 約271〜303万円 | 約36万円(2/3相当) |
| 第3区分 | 約303〜378万円 | 約18万円(1/3相当) |
(出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」・JASSO)
⚠️ 注意:年収の目安は世帯人数で変わります
上の年収目安は4人世帯の場合。シングルマザー+子ども1人のような2人世帯では、世帯人数が少ない分、住民税の控除額も変わるため、目安額が異なります。実際の判定は住民税情報をもとに行われるため、収入が多少高くても対象になるケースがあります。
収入以外でも免除になるケース
| パターン | 内容 |
|---|---|
| 各大学独自の制度 | 成績優秀+経済的な事情がある学生を対象に、大学が独自に設ける免除制度(基準は大学ごとに異なる) |
| 家計急変 | 親の失業・死亡・災害など突然の収入減に対応する緊急申請(発生から約3か月以内が目安) |
| 多子世帯(2025年度〜) | 子ども3人以上を同時に扶養する世帯は所得制限なし。授業料減免上限は年70万円 |
(出典:JASSO「高等教育の修学支援新制度」、各大学公式サイト)
大学院では?
学部向けの国の修学支援制度は大学院には原則適用されませんが、各国立大学が独自に設ける授業料免除制度は大学院生にも適用されるケースがあります(成績・家計の基準は大学ごとに異なります)。先輩ママの息子さんが大学院でも免除を受けられたのも、こうした大学独自の制度によるものと考えられます。
🏫 ⑤「学校推薦型選抜」って何?国立大でも使える?
「推薦入試」と聞くと私立大学のイメージが強いかもしれませんが、国立大学でも推薦入試は広く実施されています。
文部科学省の調査によると、国立大学の学校推薦型選抜の実施割合は96%以上。ほぼすべての国立大学が推薦で学生を受け入れています。(出典:文部科学省「令和4年度大学入学者選抜実態調査の結果(概要)」)
| 公募推薦 | 指定校推薦 | |
|---|---|---|
| 誰が出願できる? | 条件を満たせばどの高校からでも | 大学が指定した高校の生徒のみ |
| 合否 | 大学側が選考 | 高校内選考を通れば合格がほぼ確定 |
| 国立大の主流 | ◎ | △(限定的) |
| 私立大の主流 | ○ | ◎ |
国立大学の推薦は公募推薦が中心。高校内の選考を通過し、書類・小論文・面接で大学に挑む形が一般的です。
推薦入試では「評定平均(5段階評価の平均)」が重要な基準になります。一般的には3.5〜4.5が出願要件として設定されることが多く、難関大学ほど高い傾向です。(参考:大学入試センター「大学入試関連アーカイブ」用語解説)
⑥ 「公立で上位」は本当に現実的?
この戦略が現実的かどうかは、正直、子ども本人の性格・特性によります。
わが家には正反対な2人がいます。中2の息子は目標もなく、強制されてしぶしぶ勉強するタイプ。成績が悪くても奮起して頑張るということが今のところほぼない……。対して娘はコツコツ努力するタイプで、全国テストの前は自分で早起きして勉強し、通信教材も毎月きっちり提出しています。「地元中学で上位をキープして、偏差値高めの高校に行く」と小6の時点で自分で決めていました。
この戦略が難しいかも
- 外からの刺激・競争がないとエンジンがかからない
- 目標が定まっておらずコツコツが続かない
- 成績が落ちても自分で立て直せない
- 得意科目だけに特化したい一点突破型
この戦略に向いているかも
- コツコツ取り組むのが得意な自律タイプ
- 自分で目標を持って動ける
- 地元の公立校で「上位層」に入れる学力がある
- 「怒られなくても自分でやる」ができる
「無理のない高校で常に上位」を目指す方が、難関校で中位をうろうろするよりも推薦には近い。ただし、それができるかどうかはその子の性格次第です。
📝 まとめ
- 公立高校3年間の費用は平均約179万円、私立は約309万円(文科省調査)
- 国立大学4年間は標準で約242万円
- 「公立+推薦→国立大」は高校〜大学のトータルで約421万円が目安(最安コース)
- 国立大学の授業料免除は収入だけでなく、大学独自の制度・家計急変・多子世帯など複数の窓口がある
- 収入の目安(271万円)は4人世帯の場合。世帯人数によって異なる
- 国立大学の96%以上が推薦入試を実施。評定平均3.5〜4.5が一般的な目安
- 「無理のない公立高校で上位をキープ→推薦」は、コツコツ自律タイプの子に向いている戦略
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