クリスマス・ボックス|我が子を抱きしめたくなる一冊【感想・レビュー】

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初めてこの本に出会ったのは高校生の頃でした。あのときは「切なくて、いい物語だな」と思っただけだったのに、ずっと忘れられなかった一冊。

大人になってから、また図書館で探して手に取りました。母になった今、同じ本がまったく違う顔をして胸に迫ってきます。

この本について

『クリスマス・ボックス』
著:リチャード・ポール・エヴァンズ/訳:笹野洋子
出版:講談社(講談社文庫)

生活費のために、古い洋館に暮らす老未亡人・メアリーの家に転がり込んだ若い夫婦と幼い娘。屋根裏部屋で見つけた美しいクリスマスボックスには、メアリーが長年抱えてきた深い悲しみと秘密が眠っていました。

仕事に追われ、妻や娘との時間を後回しにしてきた夫。そんな彼が、メアリーの過去と向き合うなかで、静かに、でも確実に変わっていきます。何を失ってからでは遅いのか——その答えが、ラストに向かって静かに明かされていきます。

ネタバレは野暮なので詳しくは書きませんが、「人生でいちばん大切なものは何か」という問いを、決して押しつけがましくなく届けてくれる物語です。

「幼い娘は世界を止めてわたしを待ってはくれない」

この本の中で、ずっと忘れられない言葉があります。

「幼い娘は世界を止めてわたしを待ってはくれない」

二人の子どもを持つ母となり、この言葉を痛いほど実感しています。

ふわふわのマシュマロみたいなほっぺも、ぷにぷにのもみじのような手も、たどたどしい可愛い声も——もう帰ってこない。取り戻せない日常。

目の前のことに必死で、大事なものを見逃してしまいがちな私たちに「最も優先すべきことは何か?」「子どもと過ごせる時間と仕事のどちらを選ぶか?」を優しく問いかけてきます。

仕事か、子どもか。あのころ揺れていた日々

勤務先が遠く、残業が当たり前の仕事をしていた頃のことです。

「おはよう」と同時に出社して、帰宅は20時ごろ。朝ごはんも夕ご飯も義実家にお願いする日々が続いていました。頼れる場所がある、これは本当にありがたいことで、贅沢なことだとわかっています。でも、気を遣う日々でもあったし、何より——子どもの日々の成長が見られないことが、悲しくて悲しくて仕方なかった。

結局、その気持ちに正直になって転職しました。

もちろん仕事やお金がないと生きていけません。いつだって、子どもたちと正面から向き合ってきたか?そう問われると、口ごもってしまうのも事実です。でも、一緒にいられるわずかな時間だけでもしっかりと目を合わせて、子どもたちの話に耳を傾けてきました。

5分でもいい。一瞬でもいいから、子どもたちを抱きしめてあげて欲しい。

思春期の今、後ろ姿がすっかり大人になった

思春期真っ盛りで反抗的な息子や、背伸びをしたがり生意気な態度を取るようになってきた娘。イライラして、少し距離を取りたくなることも日常茶飯事。

それでも、ふと気づく瞬間があります。

一般女性としては身長高めの私より、もうすっかり背が高くなった息子。収納棚のボックスティッシュをヒョイと取ってくれる後ろ姿は、いつの間にかすっかり大人のそれになっていました。それでもまだまだ甘えん坊で、ガンダムの話を振ると嬉しそうに永遠に話してくれる。そのギャップが、たまらなく可愛い。

真面目な娘は来週の全国テストに向けて、自分で目標を定めて、自分で早起きして勉強しています。もう「勉強しなさい」と言わなくて済む。少しずつ身体もふっくらしてきて、もう抱っこはできないけれど、ぎゅっとすると照れ笑いをする。その笑顔が、ずるいくらいかわいい。

二人とも、美味しいものを食べているときは必ず一口分けてくれます。数が少ないものを子ども優先にして夫と私が遠慮していると、「一緒に食べよう」と言ってくれる。そんな小さな優しさに、家族の温もりに、毎日癒しをもらっています。

いつまで一緒にいられるのかな。

大人に近づいていく、あと残されたわずかな時間。二度と取り戻すことのできない時間を、後悔のないよう過ごそう。この本に出会えたことで、子どもたちとの時間に改めて目を向けたいと思えました。

こんな方に読んでほしい

小さなお子さんのいる方
仕事優先で子どもと過ごす時間が取れないと感じている方
子育てに疲れて、少し立ち止まりたいと思っている方
家族や日常を見つめ直すきっかけを探している方

まとめ|いつか子どもたちへ手渡したい一冊

📚 この記事のまとめ

  • 子どもと過ごす時間の大切さを静かに問いかけてくれる一冊
  • 高校生のときと、母になってからとでは、まったく違う読み方ができる
  • 仕事と家族のはざまで揺れたことがある方に、特に刺さる物語
  • 子どもたちがいつか親になったとき、手渡したい本

子どもたちがいつか親になったとき、そっと手渡したい。「大切なものを忘れそうになったら、読んでみてね」と添えて。

クリスマスシーズンに限らず、一年中読んでほしい本です。ぜひ手に取ってみてください。

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