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バイトが終わるのは21時。次の電車は22時40分発でした。
1時間に1本あるかないか、基本1両編成の、今にも廃線になりそうな路線。待ち時間と乗り継ぎを含めると、片道2〜2時間半。それがわたしの大学生活でした。
翌日の1限に間に合わせるには朝6時半の電車に乗らなければなりません。体力的にきつかったですが、若かったからなんとかなっていたんだと思います。
同じ町内から通っている子は、最初から一人暮らしをしていたり、途中から切り替えたりしていました。わたしは4年間、自宅から通い続けました。
今、息子が中学2年生です。大学進学はまだ先のことですが、費用を試算してみると、あのころの記憶がよみがえってきます。そして同時に、こんな問いも浮かんできます。
「AI時代に、そもそも大学に行く意味はあるのか?」
体験者の視点から、正直に書いてみます。
なぜわたしは4年間、自宅から通ったのか
「国立大学なら県外可。私立なら自宅から通える範囲で。」
それが親から出された条件でした。公務員の父、専業主婦の母、3人姉妹の長女。家庭の事情を考えれば、ある程度仕方のない条件だったと思います。
受験は思うようにいかず、自宅通学の私立大学に進みました。
バイトは駅ビルで21時まで。21時上がりでは20時50分の電車には乗れません。次の22時40分発を待って、帰宅はほぼ深夜0時。翌日に1限があれば朝6時半起き。毎日ではありませんでしたが、バイトのある日はそういう生活でした。
20歳になる直前に父が亡くなりました。下に妹が2人います。無理はできない状況のなかで、それでも中退せずに卒業できたことは、今でも感謝しています。
一人暮らしができていたら、もう少し余裕のある4年間になっていたかもしれない。そんなことも、ふと思います。
🏠 地方の大学進学は「一人暮らし費用」が本番
地方に住んでいると、大学進学はほぼイコール一人暮らしです。
学費だけで計算すると、実際の費用を大きく見誤ります。全国大学生活協同組合連合会の調査(2024年度)によると、下宿生の月平均支出は約13.2万円。4年間で計算すると、約634万円になります。
| 進路 | 学費(4年) | 一人暮らし費用(4年) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 私立文系 | 約411万円 | 約634万円 | 約1,045万円 |
| 私立理系 | 約542万円 | 約634万円 | 約1,176万円 |
| 国立 | 約243万円 | 約634万円 | 約877万円 |
国立か私立かで4年間の学費に300万円近い差が出ます。「国立に入ってくれたら……」は、家計的にも本当に切実な願いです。
⚠️ この試算について
数字は2024年度時点のデータをもとにした概算です。今後のインフレ・物価上昇は含まれていません。息子の進学まであと数年あるため、実際にはさらに上振れする可能性が高いと思っています。
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💰 仕送り、年間いくら必要か
下宿生の月平均支出の内訳はこんな感じです。
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 住居費(家賃) | 約5.6万円 |
| 食費 | 約2.6万円 |
| 光熱費・通信費・日用品など | 約1.5万円 |
| 教養・娯楽・交際費など | 約1.4万円 |
| その他 | 約2.1万円 |
| 合計 | 約13.2万円 |
(全国大学生活協同組合連合会「第60回学生生活実態調査(2024年度)」をもとに整理)
月平均支出
約13.2万円
一人暮らし学生の実際の生活費
仕送り平均
約7.2万円
残りはバイト(約3.7万円)・奨学金(約1.9万円)で補う
アルバイトで補う学生が多いですが、わたし自身の経験からいうと、バイトと学業の両立はかなりの体力を使います。「バイト頼みにしなくて済む環境を整えてあげたい」というのが、今の親としての気持ちです。
理系の場合は学年が上がるにつれ実験・研究の拘束時間が増え、アルバイトとの両立がさらに難しくなるとも聞きます。文系・理系で資金計画が変わってくる点にも注意が必要です。
💡 「自宅通学なら費用が減る」は本当か?
地方の場合、通学圏に選択肢が少ないことが多いです。わたしのように片道2時間以上になると、交通費・定期代が別途かかります。また、遠距離通学はそれ自体が体力と時間のコストになります。一概に「自宅通学=節約」とは言い切れないと思っています。
AI時代に、なんとなく大学に行く意味はあるのか
費用を試算しながら、ずっと頭をぐるぐるしていることがあります。
「そもそも、大学に行く意味ってあるの?」
わたしたちが進学したころは「大卒の方が生涯年収が高いから」という理由が、ある程度通用していた気がします。でも今は、AIがさまざまな仕事を代替しはじめています。「大卒資格があれば安泰」とは言い切れない時代になってきている、とわたしは感じています。
夫は「それでも大学に行かせたい」派です。
わたしは少し違います。
目的があるなら、全力で応援したい。
夢を見つけるために、人と出会い、視野を広げる時間として過ごすなら、費用に見合う価値はあると思っています。
でも、なんとなく入って、ろくに勉強もせずに過ごすだけなら——その分の資金をNISAで運用したほうが、将来のためになるのでは?と正直思っています。
ただ、こう書きながら、わたしは偉そうなことを言える立場ではないな、とも思っています。
わたし自身、将来の夢を見つけられないまま大学に行きました。本当は小説家や漫画家——何かを生み出す人になりたかった。でも慎重な性格で自信もなくて、夢を追いかける勇気が持てなかった。
進路を決めたのは、亡くなった父のアドバイスでした。「潰しがきく学部にしなさい」と。父の言葉を信じて選んだ学部でしたが、結局そこで学んだことは、その後の仕事に一つも直接役立ちませんでした。
それでも、大学に行ったことを後悔しているかと聞かれたら、答えはNoです。一生大切にしたいと思える友人に出会えたから。その出会いは、大学に行かなければ絶対になかった。
「目的を持って勉強しなければ意味がない」と息子には思っています。でも同時に、目的がなかったわたしにも、大学は何かを与えてくれました。
答えは、まだ出ていません。
息子は今のところ、将来やりたいことが特にないようです。ゲームは大好きですが……。
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このままなんとなく大学に行くのと、目的を持って行くのとでは、費用も人生の密度も全然違う。でも「目的がないと行かせない」とも言い切れない自分がいます。中2のうちに、一度ちゃんと話し合おうと思っています。
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📝 まとめ
- 地方の大学進学は一人暮らし費用が大きく、月約13.2万円・4年間で約634万円
- 仕送り平均は月約7.2万円。残りはバイト・奨学金で補う学生が多い
- 学費は国立約243万円、私立文系約411万円、理系約542万円
- 自宅通学は「節約」とは一概に言えない(交通費・時間コストあり)
- AI時代、目的のある進学かどうかがますます問われる
- 費用より先に、本人と話し合うことが大事だと思っている
出典:全国大学生活協同組合連合会「第60回学生生活実態調査(2024年度)」/文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」/国立大学標準額(文部科学省)


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